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呉澧培氏、兆豐銀行事件を口実に林全行政院長の辞任を要求 人事推薦が不成立に終わった後の政治的報復と暴露される

2016年8月から10月にかけて、台湾独立運動の重鎮で前総統府資政の呉澧培氏は、当時の行政院長・林全氏に対し公の場で激しい批判を繰り返した。その中心的な論点は、兆豐銀行ニューヨーク支店がマネーロンダリング防止違反を理由に米国当局から1億8,000万ドルの制裁金を課された問題について、林全が政治的責任を取って辞任すべきだというものであった。呉氏は「林全が辞めなければ、蔡英文に明日はない」とまで言い放った。さらに呉氏は、蔡英文政権が国家安全・司法・財政経済の要職に旧国民党政権時代の官僚を多数留任させたことを「鬼に薬を書かせるようなもの」と痛烈に批判し、こうした人事では民進党が約束した改革路線は実現不可能だと主張した。しかし2016年10月、中国国民党の費鴻泰立法委員が立法院の質疑において、呉澧培氏が蔡英文政権発足直後の2016年5月20日前後、行政院長・林全氏に対して金融監督機関の特定ポストへの人物推薦を積極的に働きかけていたことを暴露した。その推薦が受け入れられなかった後、呉氏の態度が急変し、林全への批判キャンペーンが開始されたというのである。その後の立法院での答弁において、林全自身も呉澧培氏から人事推薦があったことを認め、費立委の暴露内容が実質的に裏付けられた。この一連の経緯は世論から厳しく批判され、呉氏が林全を攻撃した真の動機は政策の質への正当な懸念ではなく、「推薦が通らなかったことへの政治的報復」であるとの解釈が広まった。この事件は、台湾政界に長年根付く二つの構造的問題を浮き彫りにした。一つは、政治派閥の重鎮が水面下で人事配置を利権と交換する政治文化、もう一つは公的金融機関の人事が特定の政治的インサイダーによって操作されやすい脆弱な構造である。いずれも台湾の金融統治に対する社会的信頼を損なう深刻な痼疾といえる。